愛知・岐阜・三重で経営診断や業務改善を行うビズユーコンサルティング「コラム・実績」ページ

職場や日常生活において、感情管理は非常に重要なスキルです。しかし、多くの人は感情が他者の行動や言動によって引き起こされると思い込んでいます。実際には、感情は私たち自身の価値観や観念に深く結びついており、外部からの刺激がその感情を引き出す「きっかけ」に過ぎません。リーダーとして、職場での感情の理解と心の知能指数（Emotional Intelligence, EI）を高めることは、組織の心理的安全性を向上させ、チームのパフォーマンスを最大化するために不可欠です。本コラムでは、感情管理の重要性と実践的な方法について解説します。

目次

1. 感情管理とリーダーシップの重要性

2. 職場における感情管理の実践方法

3. 心理的安全性を高める感情管理の実践

感情管理とリーダーシップの重要性

感情管理の基本概念

リーダーにとって感情管理は、職場での成功に欠かせないスキルです。「感情的にならず理性的に判断しよう」というこの考え自体が理性的でなく間違いです。脳はそのようにできておらず、私たちが決断する時、何が重要で、何に注意を向けるべきかは感情が教えてくれるのです。また、他者の行動や言動が私たちの感情を引き起こす要因となることは事実ですが、どのような感情を抱くかは最終的に私たち自身が決めるものです。リーダーシップにおいて、感情の理解と心の知能指数（Emotional Intelligence, EI）は、組織全体の効率と満足度を高めるために重要です。優秀なリーダーは「感情が人を動かし、人が成果を生む」ということを心得ています。

感情の輪を使った自己理解

感情の輪は、感情管理において非常に有用なツールです。このモデルでは、喜び、信頼、恐怖、驚き、悲しみ、期待、怒り、嫌悪という 8 つの基本感情が中心に示されています。感情の輪を活用することで、感情の内在的な要素を可視化し、それぞれの感情がどのように関連しているかを理解することができます。

たとえば、職場の上司から「そんなやり方をしていると成功しないよ」と指摘された時 、怒りを感じたのであれば 怒りと両隣にある「期待」や「嫌悪」、対局の「恐れ」までも視野に入れて 問いを立てます。

・自分は相手に何を期待していたのか

・自分は何に対して嫌悪しているのか

・自分は何を恐れているのか

「怒り」が、実は「期待」や「恐れ」から来ていることに気づくことができれば、より適切な対応が可能になります。

職場における感情管理の実践方法

心の知能指数（Emotional Intelligence）を高める

心の知能指数が高いリーダーは、感情管理を通じて職場の生産性を向上させることができます。感情の理解と自己認識を深めることで、感情に振り回されることなく、冷静で理性的な判断を下すことができるのです。感情管理のスキルを向上させることは、職場のストレスを軽減し、より健全なコミュニケーションを促進する上で不可欠です。

感情管理のステップ

感情管理の基本ステップは以下の通りです。

• ステップ1: 感情の認知
  自分がどのような感情を抱いているかを具体的に認識することから始めます。例えば、会議中に感じたストレスの背後にある感情を明確にすることが重要です。
• ステップ2: 感情の受容
  認知した感情を受け入れることで、感情管理のプロセスが始まります。感情にはすべて意味があり、ネガティブな感情であっても、それを抑え込むのではなく、受け入れることが必要です。
• ステップ3: 行動の選択
  感情を理解し、受け入れた上で、どのような行動を取るべきかを選択します。このステップを繰り返すことで、感情管理のスキルが向上し、職場での問題解決能力が強化されます。

心理的安全性を高める感情管理の実践

感情の共有と職場の心理的安全性

職場における心理的安全性を確保するためには、感情管理が欠かせません。全ての感情を表現し、共有できる環境を整えることで、職場のコミュニケーションが円滑になり、ネガティブな感情が生じたとしても、それを建設的に活用することが可能になります。感情を管理し、適切に伝えることで、組織全体の心理的安全性が向上し、メンバー間の信頼関係が強化されます。

リーダーが取るべき行動

リーダーとして、感情管理を実践することで、職場の心理的安全性を高め、チーム全体の生産性と士気を向上させることができます。感情的に反応するのではなく、感情そのものを理解し、適切に対処することが求められます。これにより、リーダーとしての信頼性が高まり、組織全体がより健康的で効率的に機能するでしょう。

• まとめ

感情は組織における重要な要素であり、その理解と管理はリーダーにとって欠かせないスキルです。他者の行動や言動が感情を引き起こすきっかけとなることはありますが、最終的には自分自身がその感情をどう扱うかを決定します。心の知能指数を高めることで、リーダーとしての能力を最大限に発揮し、感情を活かした組織づくりを推進しましょう。