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2023/08/25 人的資本経営 / 実績
経営コンサルタントの組織開発の進め方-対話型組織開発でミックスジュースを作る-
目次
経営コンサルの組織開発の進め方
組織開発は、簡単に説明すると、人を集めただけでは「うまく動かない組織」を「うまく動くようにする」ための意図的な働きかけ、と言えます。職場には、年配者、若手、男性、女性、外国人、障がい者の方など様々な属性の方がいますが、この属性が多様なほど、残念なことに組織では、「うまく動かない」ことが研究からもわかっています。みなさんも同じ属性のグループだと意見がまとまるけど、違う属性の方が加わると、意見が収集しないことはありませんか?属性が多様であるほど、当然そこには様々な価値観がありますから、問題が生じたり、意思決定一つでも複雑性は増すわけです。
ではどうするか?
これが昨今言われる「多様性を活かした組織づくり」です。
左のカゴには、りんご、ぶどう、メロンなど様々な種類の果物が入っています。この「ただフルーツがある」という状態から、様々な果物がそれぞれの味を生かしながら混じりあって、その組織ならではの味を作る。これが多様性を活かした組織開発です。
このミックスジュースになるまでには、半年近くの時間がかかりますが、確実に組織は変わっていきます。
経営コンサルが関わった組織開発の事例
ひとつ事例を紹介しましょう。当初は以下のような組織でした。
- 若手の積極性がない
- 協力体制がない(個人プレーの状態)
- 社長と社員さんの間に壁がある
工場長のポジションが空き、そのポジションにリーダーとして適任者がいましたが、社長、部長がお願いしても引き受けてもらえない状態。工場の中で明確に指示を出す人がいないため、複数の人が指示を出していて、若手は混乱。また、時々社員さんを萎縮させてしまう言動が上層部にあり、組織の中で心理的安全性は低い状態でした。
ベテランの方、若い方など全員が集まってワークショップや対話型組織開発を続けてきた結果、本音で熱い議論がされるようになりました。
- 会社の状況を理解して、先を見据えて若手の教育体制を整えないといけない、そのためにはベテランの方の作業量を減らして時間を作る必要がある。その作業を誰がやるかという話になった時に、若手社員から「私がやります」と手があがったのです。旧工場長がやっていた一部の仕事を入社半年に満たない社員が受けるのは、本人にとって荷が重かったかもしれませんが、熱い対話が行動を促したのだと思います。
- 工場長が必要だという話になり、メンバーからは適任者の指名がありました。過去に何度お願いしても引き受けてもらえなかった方が「皆んなが良いなら自分がやります」と引き受けてくれたのです
ファシリテーターとして、対話を聞いていて、本当に感動しました。組織開発は生ものであるため、現場でどのようなことが起きるか予想もつきません。その状況を見ながらうまく進むように介入していきます。(ハラハラが止まりませんが。。。)
組織開発のイメージはつかめましたか?
みなさんの会社では、ミックスジュースになっていますか?それともフルーツバスケットのままですか?