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2023/10/03 実績
経営コンサルがおすすめするアートで対話型鑑賞-ビジネスでアートを活かす方法-
目次
対話型鑑賞とは
対話型鑑賞は、 複数の鑑賞者が、ファシリテーターによって促されながら、 美術作品をもとに対話を行う手法として、1980年代のニューヨーク近代美術館 (MoMA) に始まる美術館教育の方法論として、日本へは 1990年代に紹介されました。作品の隣にファシリテーターが立ち、 数名~20名程度の鑑賞者 グループに対して、問いを投げかけながら鑑賞者の発言を促し、数十分かけて 作品の解釈を行っていきます。
ビジネスに対話型鑑賞が必要な理由
- 曖昧さを許容する力
日本の学校教育では、ひとつの正解を求めることに重点が置かれてきたように思います。先生は正解を知っていて、学生は答えを探し、先生が正解を教える。しかし、ビジネスでは、正解がない曖昧さを許容することも必要になります。対話型鑑賞では、鑑賞作品のストーリーをお伝えすることもありませんので、良い悪いとか、正解不正解といった「ジャッジ」が発生しません。モヤモヤする感情を自分の中でどのように受け入れるか、曖昧さを許容する力を高めます。
- 見る・考える・話す・聞く力
対話型鑑賞は、目の前にある作品という「現実」について、鑑賞者がそれぞれの感情や思考、感覚を共有し、相互理解を深めたり、新たな意味づけを作り出したりするコミュニケーションです。作品の解釈のみを語る人には、ファシリテーターから「どこからそう思ったの?」と問いを投げかけ、事実を探すように促します。対話型鑑賞を繰り返すことで、事実と解釈をセットで語るようになり、見る・考える・話す・聞くというコミュニケーションスキルが向上します。また、お互いの思考を共有することで、他者との違いを受容できるようになります。
対話型鑑賞の様子
個人で2分鑑賞した後は、「この絵の中で何が起こっていますか?」という問いからスタート!
-顔が二人ともそっくりだから、双子かな。
-心臓の血管が繋がってるから親子なんじゃないかな?
-ハサミを持っていて血管を切っている
-血管を切っているのではなく、止血しているんじゃないかな
と様々な意見がありました。対話中に、「自分はこう考えていたけど、今の意見を聞いて〇〇と感じるようになりました」というように、他者の考えを受容して、自分の考えに変化を感じられたという意見もありました。
対話型鑑賞はビジネスで活用できる
対話型鑑賞は、以下のような場面で活用できます。これ以外にも活用方法はたくさんございます。
- 組織の心理的安全性を高めたい
- 新入社員研修の1コマとして
- 管理職研修の1コマとして
- 経営理念について対話型鑑賞を行い、自分ごと化する
- DE&Iを推進していて、多様な価値観を受け入れることが必要