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2025/03/14 組織開発
従業員退職型倒産の真実|防止策と対策を解説

近年、従業員の退職が直接的な要因となり、企業が倒産に追い込まれる「従業員退職型倒産」が増加しています。特に中小企業においては、この傾向が顕著であり、経営者や人事担当者にとって重大な課題となっています。
しかし、多くの経営者は「うちの会社には関係ない」と思いがちです。これは心理学でいう「正常性バイアス」と呼ばれるもので、リスクを過小評価し、対策を怠ってしまう原因の一つとなります。しかし、実際にはどの企業にも従業員退職型倒産のリスクは潜んでおり、対策を講じなければ、気づいたときには手遅れになってしまう可能性があります。
本コラムでは、従業員退職型倒産の現状と背景、具体的な事例、そしてその防止策について詳しく解説します。貴社に関係ない話ではなく、将来の企業存続のための重要なポイントとして、ぜひお読みください。
目次
従業員退職型倒産の現状と背景
労働人口の減少と少子高齢化
日本では少子高齢化が進行しており、労働力人口の減少が避けられない状況です。これにより、多くの企業が人材確保に苦戦しており、特に中小企業では深刻な人手不足が生じています。人材不足は、企業の生産性低下や業務過多を招き、従業員の負担増加につながることで、さらなる退職を引き起こす悪循環を生みます。
賃上げの二極化
物価上昇や転職市場の活性化に伴い、従業員からの賃上げ要求が高まっています。大手企業は賃上げに踏み切るケースが増えていますが、経営体力の乏しい中小企業では賃上げが難しく、結果として従業員の流出を招くことがあります。給与水準の競争に勝てない企業は、労働環境の改善や成長機会の提供といった他の施策で従業員を引き留める必要があります。しかし、最終的には賃上げが可能な企業体質へと変革しなければ、長期的な競争力を維持することは難しくなります。
転職市場の活性化
近年、転職市場が活発化しており、従業員がより良い条件を求めて転職するケースが増えています。特にIT業界や専門職では、スキルを活かせる企業への転職が活発になっており、人材流出が深刻化しています。
従業員退職型倒産の具体的な事例とその影響
サービス業の事例
サービス業では、ソフトウェア開発やIT関連企業において、技術者の退職が直接的な倒産要因となるケースが増えています。例えば、主要なエンジニアが退職し、プロジェクトの遂行が困難となり、受注が減少した結果、経営が立ち行かなくなった事例があります。
建設業の事例
建設業では、設計者や施工管理者などの有資格者の退職が事業継続に重大な影響を及ぼしています。これらの専門職の離職により、受注の減少や外注費の増加が生じ、最終的には倒産に至るケースが見られます。
製造業と運輸・通信業の事例
製造業や運輸・通信業でも、従業員の退職が倒産の引き金となるケースが報告されています。例えば、工場作業員やドライバーの退職により、業務が回らなくなり、経営が悪化した事例があります。
従業員退職型倒産の防止策
労働環境の改善
従業員が働きやすい環境を整えることは、定着率向上に直結します。福利厚生の充実や柔軟な働き方の導入、職場の人間関係の改善などが求められます。具体的な施策として、以下のような取り組みが考えられます。
- ワークライフバランスの推進:リモートワークやフレックスタイム制の導入
- ハラスメント対策の強化:社内相談窓口の設置や研修の実施
- メンタルヘルス支援:カウンセリングやストレスチェックの導入
賃金や待遇の見直し
可能な範囲での賃上げや待遇改善は、従業員の満足度を高め、離職防止につながります。加えて、従業員のスキルアップやキャリアパスの提供も重要です。最終的には企業の収益力を向上させ、持続的に賃上げを行える体制を築くことが必要です。
- 昇給制度の明確化:評価基準を明確にし、納得感のある昇給制度を整備
- 福利厚生の強化:住宅手当、家族手当、教育支援などの充実
- キャリアパスの整備:社内研修や資格取得支援の提供
採用活動の工夫
採用活動の精度を高めることで、ミスマッチを防ぎ、早期離職を減少させることが可能です。
- 適切な採用プロセスの導入:従業員の適性を見極めるための多段階面接の実施
- 企業文化の明確化:企業のビジョンやミッションを明確に伝える
- リファラル採用の活用:既存社員の紹介による採用活動の強化
リテンションマネジメントの実施
リテンションマネジメントとは、従業員が長く働き続けられる環境を作るための施策です。
- エンゲージメント向上施策:定期的な1on1ミーティングや表彰制度の導入
- 組織の透明性を高める:経営陣と従業員の対話の機会を増やす
- 社内キャリアの充実:異動や社内公募制度の導入
まとめ:従業員退職型倒産で手遅れになる前に
従業員退職型倒産は、特に中小企業にとって深刻な問題です。しかし、適切な労働環境の整備、賃金や待遇の見直し、採用プロセスの改善、リテンションマネジメントの強化などを実施することで、従業員の定着率を高め、倒産リスクを減らすことが可能です。「自社には関係ない」と思っていたとしても、実際には何の対策も取らないままでは、気づいたときには手遅れになっているかもしれません。今こそ、会社の未来を守るための行動を始めるタイミングです。
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