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2023/12/26 人的資本経営

経営コンサルも感心するバイトダンスのD&Iの取り組み

D&I  ダイバーシティ 経営コンサル

 

2023年12月に中国の企業を訪問し、外国人との協働、D&Iや多様性の受け入れ方についてのお話がありましたのでご紹介します。

目次

1. バイトダンスへの訪問

2. 経営コンサルが感心したバイト文化

バイトダンスへの訪問

バイトダンスは中国のテクノロジー企業で、主に短動画アプリTikTokの運営で知られています。

バイトダンスの概要は以下の通りです:

  • 2012年に中国で設立された企業で、本社は北京にあります。
  • TikTokという短動画アプリを開発・運営しています。TikTokは世界で10億人以上のユーザーがいる世界最大の短動画プラットフォームです。
  • 中国国内ではDouyinというTikTokと同様のアプリも提供しています。
  • VRコンテンツ、ライブストリーミング、ニュース配信なども手掛けており、AI技術にも力を入れています。

今回は北京本社を訪問し、ショールームの見学、Lark 总裁の张楠 氏との対談、プレゼンテーションという流れで行われました。あいにく张楠 氏は日本出張中だったため、東京と北京をオンラインで繋いでの実施となりました。プレゼンテーションでは、主にLark の商品の誕生秘話やバイトダンスの組織文化についてのお話がありました。

経営コンサルも感心したバイト文化

最古のバイト文化

バイトダンスは創業当初から多様性を受け入れる文化があります。
オフィスの中央には、創業者張一鳴氏の透明な部屋がありますが、このことについて、張一鳴氏は次のように語っています。

独立したオフィスがあるのは私の地位が高いことや権力があったからではない。私はトップリーダーだったので、独立したオフィスが必要だった。つまり、誰もがすぐに私を見つけて私のところに来られる場所が必要だったということ。


張一鳴氏自身が、自分と話をしやすくする環境づくりをし、周囲を受け入れる考えを持っていることがわかります。このお話は、最古のバイト文化と言われています。

若手や年配者への尊重

バイトダンスには、上下関係を意識せず接することができるように、自分がどのランクにいるのか分からないような制度にしているそうです。

バイトダンスの従業員の平均年齢は27.5歳なのですが、年配の方は、これらの若い社員が私たちを刺激し、より創造的になるように駆り立てていると仰っていました。お昼は、バイトダンスの食堂で社員さんと食事をしましたが、見渡す限り若者ばかりで、会社で見るような偉そうな雰囲気の方はいなかったのです。

私はよくコラムの中でアンコンシャス・バイアスの話をしています。会社の中で「新人は黙ってろ!」とか「今年の新入社員は〜」というアンコン発言で苦しんでいる若手の話をよく伺います。

非常に関心したのが、相手が1年目であっても尊重姿勢があるということです。次のようなことをおっしゃっていました。


会社に1年目の同僚がいるとしたら、彼の本来の業界経験をデフォルトとして尊重し、彼を尊重する。

あなたが私より長く働いているからといって、私はあなたに 100% 同意するわけではない。私が同意するのは、あなたの見解ではなく、あなたのモデルや物事の見方の体系、あなたの仕事がもたらす経験であるべき。


年配者に対しても、自分の意見を伝えることができる風土があることが伝わってきます。

外国人への尊重

外国人と仕事をする際に、相手の文化を尊重することは大切です。バイトダンスの外国人への尊重の考え方が勉強になりました。

バイトダンスのLarkというコミュニケーションツールは、同時通訳機能が備わっています。今回のプレゼンテーションの間もこの機能を使って、実際に体験をしました。中国人が中国語で話すと、聞き手の言語(日本語)で文章が表示されます。

バイトダンスには、多国籍の社員がいます。例えばフランス人と中国人がお互いに英語が話せるなら、英語で話せば良いのではないか?と思いますよね。なぜLarkの字幕を読まなければいけないのかと。これに対して次のように仰っていました。


英語が上手か下手かに関係なく、母国語を話すときの表現力、洞察力、共感力、従業員の生活習慣を尊重しなければならない


また、コミュニケーションツールには、絵文字が備わっていますが、肌の色、手の動きなどについても、国によるD&Iの観点とすべての人の文化を尊重するために、より平等で統一された調整を行っているそうです。

以上、バイトダンスの文化をご紹介しました。社内を歩いていると、会社というよりコミュニティのようなアットホームで楽しげな雰囲気が溢れていました。ここで働く人たちは生き生きとしていて、それぞれの個性と力を発揮していることが伝わってきました。多様な人材が活き活きと働ける組織文化は、バイトダンスの大きな強みだと思います。外部の経営コンサルタントとして、今後もこのようなダイバーシティ&インクルージョンを重視した組織づくりを支援できればと考えています。