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2025/05/23 組織開発
エンゲージメントを高める福利厚生制度

「人材が定着しない」「若手社員のモチベーションが上がらない」――こうした声は、多くの中小企業の現場で聞かれます。待遇面の改善に注力する企業もありますが、実は「給料とは別の価値」として注目を集めているのが「福利厚生制度」です。
特に4月入社の新社会人が研修を終え、職場にも慣れてくるこの時期。自社の福利厚生制度を見直すことは、社員の満足度やエンゲージメント向上につながります。本コラムでは、実際の活用事例を交えながら、中小企業における福利厚生制度の設計と運用のポイントを3つの視点からご紹介します。
目次
福利厚生制度は“第二の報酬”─社員の生活と心を支えるインフラ
福利厚生制度は、給与とは別に企業が社員に提供する支援制度の総称で、「法定福利」(健康保険・厚生年金など)と「法定外福利」に分かれます。特に後者は企業独自で設計できるため、企業文化の表現とも言えます。近年注目されているのは、社員の多様なライフスタイルを支援する制度です。たとえば以下のようなものが挙げられます。
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資格取得補助制度
自己啓発支援は社員の成長意欲を刺激します。 -
財形貯蓄・持ち株制度
給与天引きによる積立や投資を支援し、「お金に強い社員」を育てる環境を整えられます。 -
宿泊補助・旅行支援
福利厚生施設との提携により、リフレッシュの機会を提供。心身の健康維持にもつながります。 -
社内販売・食堂などの生活支援
中には、社員向けに肉専門の販売所を設けた企業もあります。これは、物理的な利便性と心理的な満足感の両方を提供する好事例です。 -
メンタルヘルス支援
カウンセリング費用を補助する企業も増加。公的保険が適用されない分、会社の支援が重要です。
福利厚生制度は、単なる“おまけ”ではなく、「働きやすさ」「安心感」「成長機会」の提供を通じて、社員と企業の信頼関係を深める重要な施策です。ただし、制度だけが整っていればよいというわけではありません。社員が「この職場で働き続けたい」と思えるような、良好な人間関係や信頼のある職場風土とセットでこそ、福利厚生制度は真の効果を発揮します。
若手社員が魅力を感じる“今どき福利厚生”とは?
特にZ世代・ミレニアル世代の若手社員は、「給与だけでなく、会社の姿勢や価値観に共感できるか」を重視しています。そこで注目されているのが、“共感型”の福利厚生です。
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推し活休暇・失恋休暇などの特別休暇制度
社員が自分らしい時間の使い方を選べる制度。柔軟な働き方を支援する企業姿勢をアピールできます。 -
カフェテリアプラン
社員が付与されたポイントの範囲で自由にメニューを選べる制度。語学講座・スポーツクラブ・宿泊補助など、多様なニーズに応えられます。
→ 年間平均6万円相当のポイントが付与されることが多いが、未使用分が失効するケースもあるため「使い方ナビ」の導入も効果的です。 -
キャリア支援制度
1年目から勉強を始めたい社員向けに、資格取得や外部研修受講の費用を負担。将来的な戦力化につながる投資です。 -
キャリア入社社員の知見を活かした制度導入
ある企業では、キャリア採用者に前職でよかった福利厚生制度をヒアリングし、自社でも毎年1つずつ新しい制度を導入する取り組みを行っています。これは、社員の多様な経験を活かした制度づくりの好例といえるでしょう。
制度はあっても、「社員が知らない」「申請しづらい」「メリットが分からない」では意味がありません。イントラネットや配布資料による周知だけでなく、年1回の説明会や個別面談での情報提供が、活用率向上のカギとなります。
中小企業が実践できる“無理なく続く福利厚生”のポイント
福利厚生制度といえば、大企業の特権と思われがちです。しかし中小企業でも、工夫次第で十分な制度を設計・運用できます。以下に、実現可能なポイントを紹介します。
使われる制度に絞って設計する
全社一律で使いづらい制度よりも、「部署・ライフステージに応じてニーズが高いもの」に絞るほうが効果的です。アンケートや個別ヒアリングで実態を把握し、導入する制度を選定しましょう。
社外リソースを活用し「教育費」「健康支援」「資産形成支援」の3本柱で整える
福利厚生パッケージを提供する外部企業と提携すれば、初期投資を抑えつつメニューの幅を広げられます。
- 教育:資格取得支援、eラーニング補助など
- 健康:健康診断補助、ストレスチェック・メンタルケア
- 資産形成:持株制度、財形貯蓄、退職金制度の見直し
「制度は制度、人は人」にならない仕組みをつくる
制度が整っていても、現場での人間関係が希薄であれば、社員の定着にはつながりません。制度とあわせて、「話しかけやすい風土づくり」「感謝を伝える文化」「上司部下間の対話の機会」といった、人と人との関係性を豊かにする取り組みも同時に設計することが重要です。
まとめ:福利厚生制度の“活用される設計”が中小企業の未来を変える
福利厚生制度は、単なるコストではなく「社員の人生に寄り添う経営」の具体的な表れです。新社会人をはじめとする若手社員は、報酬の“金額”よりも“意味”を重視しています。制度設計の工夫と、社員との丁寧なコミュニケーションによって、定着率やエンゲージメントの向上が期待できます。福利厚生は「使われてこそ価値がある」制度。自社に合った無理のない設計と、継続的な見直しを行いながら、社員とともに制度を育てていく姿勢が求められます。
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