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2025/05/29 組織開発 / コーチング
1on1の効果を最大化する“3つアプローチ
「最近、1on1を導入したけれど、部下が全然話してくれない」「結局、業務の進捗確認だけで終わってしまう」「雑談ばかりで時間の無駄なのでは?」。こうした悩みを抱える中小企業の社長や人事担当者の声を多く耳にします。1on1ミーティングは本来、部下の成長やエンゲージメントを高めるための重要なマネジメント手法の一つですが、その効果を実感できず、「形骸化している」と感じている企業も少なくありません。
本コラムでは、なぜ1on1が「うまくいかない」と感じられるのか、その背景にある構造的な問題を明らかにし、部下の主体性を引き出すための具体的なアプローチを提案します。今ある制度を見直し、「信頼」と「自律」が育つ対話型組織への第一歩を踏み出しましょう。
目次
1on1がうまくいかないのは“構造”に原因がある
1on1が「上司主導」になっていないか?
1on1が「効果がない」「やっても意味がない」と言われる理由の多くは、対話の“構造設計”にあります。そもそも多くの企業では、1on1が「上司からの指導の場」「進捗確認の場」「アドバイス提供の時間」として捉えられがちです。このような枠組みでは、主導権は常に上司にあり、部下は受け身の姿勢になります。これでは部下の内省を促すことができず、成長の機会が失われてしまいます。
沈黙を恐れて“話しすぎる”リスク
さらに、上司自身も「話すテーマが浮かばない」「部下が何も話してくれない」と感じ、沈黙を埋めるように話し続けてしまう傾向があります。結果として、1on1は「上司が一方的に語る時間」となり、部下の主体性を奪ってしまうことになります。
1on1の構造改革が必要
このような問題を根本から見直すには、1on1を「上司主導の報告会」から「部下が主導権を持つ対話の場」へと転換する必要があります。具体的には、上司が主導権を握って情報を聞き出す場ではなく、部下が自身の課題や気づきを言語化し、自らの意思で成長への一歩を踏み出すための場へと変えることが求められます。そのためには、上司が一方的に質問したり評価したりするのではなく、部下の視点や感情を尊重しながら「どんなテーマに関心があるか?」「今、何にモヤモヤしているか?」といった探究的な問いを投げかける姿勢が重要です。
部下の主体性を引き出す3つのアプローチ
主体性を引き出す1on1を実現するためには、以下の3つの視点が重要です。
テーマを“間に置く”構造にする
1on1の目的は、部下自身が考え、言語化し、行動につなげるプロセスを支援することにあります。そのためには、「今日何を話すか」を部下が考え、事前にテーマを持ってくる仕組みが効果的です。もちろん、最初から自由にテーマを考えられる部下は多くありません。そこで、「あなたが今、解決したいと思っていることは?」「今週、やり切れたと感じたこと・やり残したと感じたことは?」など、問いを投げかけ、テーマ設定のヒントを提供することが上司の役割です。
解決策の提示ではなく“整理の支援”をする
1on1で部下が話し始めても、つい「こうすればいい」とアドバイスをしたくなるのが上司の性です。しかし、解決策を与えるだけでは部下は思考停止に陥り、自分で考える力を養うことができません。むしろ効果的なのは、「それはなぜだと思う?」「他にはどんな選択肢があるかな?」と問いを投げかけ、部下の思考整理を支援するスタンスです。上司が“答えを持つ人”ではなく、“伴走者”として関わることで、部下の内省力と行動力が育ちます。
1on1自体を“振り返る”習慣をつける
1on1の質を高めるには、メタコミュニケーション(対話についての対話)も欠かせません。「今日の話し合いは役に立ちましたか?」「この場がもっと良くなるために、何か改善点はありますか?」といった問いかけが、上司と部下の信頼関係を強化し、1on1を双方にとって価値ある場に変えていきます。
中小企業こそ、1on1の力を最大化できる
現場と経営層の距離が近い強み
中小企業では、大企業に比べて組織の階層が少なく、経営層と現場の距離が近いという特徴があります。この特性は、1on1を通じた「対話型マネジメント」の実践に非常に有利に働きます。たとえば、社長自らが現場社員と1on1を行うことで、社員の声を直接把握し、迅速な意思決定や人材育成に反映させることができます。これにより、社員のエンゲージメントや定着率が高まり、組織の一体感も醸成されます。
制度よりも日々の対話を
また、中小企業においては、「制度としての研修」よりも、「現場での対話」が育成効果をもたらすことが多くあります。日々の業務の中で丁寧な1on1を積み重ねることが、結果的に最も効果的な育成施策となるのです。
まとめ:1on1は対話の設計がカギ
1on1は、ただ導入するだけでは効果を発揮しません。「話す内容」「話し方」「関係性の築き方」といった“対話の設計”を見直すことが、部下の主体性を引き出し、組織に活力をもたらすカギとなります。本コラムで紹介した3つの視点、「テーマを間に置く」「整理を支援する」「1on1を振り返る」を意識することで、1on1は単なる報告会ではなく、部下の自律と成長を促す貴重な場へと進化します。中小企業という柔軟な組織構造だからこそ、対話の力を最大化し、社員一人ひとりの可能性を引き出すマネジメントに挑戦してみませんか?
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